月別アーカイブ: 2014年10月

ISF2014を通じて、ミドルウェアのインディーライセンス意義を考えてみた。

ブースの様子

9/18~21、「東京ゲームショウ 2014」が開催になりました。
CRIは平日の2日間、「ビジネスソリューションコーナー」にてブース出展を行いました。

このコーナーはビジネスデイ限定ですので、例年であれば平日のみのCRI出展だったのですが、
今年は土曜日に「Indie Stream Fes 2014」というインディーゲーム向けイベントが開催されまして、
協賛とミニセッションを行ってまいりました。

「Indie Stream Fes 2014」は、TGSのメイン会場に隣接するホールで行われました。

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インディー開発者をはじめ、パブリッシャー、翻訳業者、出資系会社、声優さんと幅広い関係者が500名ほど来場しました。
当日発表されたビッグニュースについては、ファミ通.comさんの記事に詳しいのでご覧いただくとして。

参加者の“本気”が問われるインディークリエイターの祭典 “INDIE STREAM FES2014”リポート【TGS 2014】
http://www.famitsu.com/news/201409/24062143.html

CRIは同じツール・ミドルウェア業種のウェブテクノロジ社、マッチロック社と共同でセッションを行いました。

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インディーゲーム開発者のみなさまに、「我々はインディーライセンスやっています!」というアピールだったのですが、
資料を作る中で、あらためて「インディーゲーム、独立開発者向けのライセンスを出していく意味とは何だろう?」ということを自分なりに考えていました。

インディーライセンス「ADX2 LE」を開始して1年半。あらためて、その意義を振り返ってみました。

■「ゲーム開発」文化の変化

ひとつめの理由は単純で、「ゲーム開発を行う人」のポジションが近年大きく変化したからです。

これまで日本では、ゲームを作って多くの人に届けるには、ほぼ必ずゲーム会社に就職する必要がありました。
何十年も前からアマチュアゲーム開発者のジャンルとして「同人ゲーム」「フリーゲーム」は存在していましたが、前者は販路はコミケと秋葉原のショップに限られますので、ほぼ、コミケ文化圏につながりがある人にのみ流通するものでした。
後者はWeb配信でしたが、同様の規模で止まっていたように思います。

また、学生や若い方の意識として「ゲームを作るためにゲーム会社に就職する」というのが普通の発想だった、という所にも起因します。

近年は、個人でゲームを全部自作したり、自分でアーティストさんや資金を集めて自らのゲームを作る文化が広く知れ渡りました。
これには、スマートフォンの登場が大きく寄与したと考えています。

パソコンさえあれば個人だろうが法人だろうがかまわずゲームが販売できるマーケットと、プラットフォームの普及。
特に最近は、ゲーム専用機でも個人ゲームが配信できるように門戸が開きつつあります。

これにともなう「ゲーム開発者」の再定義。そういった流れに、CRIの技術で寄与していきたい、という思いがあります。
CRIが得意とする「マルチプラットフォームに強い開発環境」という部分を生かしていきたいのです。

最新情報で言うと、PS4のインディーゲーム「クロワルール」でミドルウェアが使われています。

CRIは、個人ゲームクリエイターのコンシューマゲーム機展開を強力サポートいたしますー!
(今回は法人契約としてアクティブゲーミングメディアさんにご協力いただきました。)

■ゲーム開発者の世代交代

コンシューマゲーム機の開発者の皆様には、CRIのミドルウェアをご愛顧いただいて、多くのタイトルに採用されてきました。

近年は、フューチャーフォンのソーシャルゲームやブラウザゲームにルーツをもつような、
そもそも「ゲーム開発のフロントエンド側に外部の会社のミドルウェアを使う」という発想を持たない開発者が占める比重が大きくなってきました。

かわりに、そういった開発者が利用するのはオープンソースのランタイムや、開発者同士の勉強会で得られる知見です。さらには、フリーランスとしてプロジェクトごとに会社を渡り歩くゲーム開発者も増えています。
法人ごとに契約してミドルウェア提供していく従来のスタイルでは情報が届きません。

ですので、Unityを見習って、まずは個人単位からアクセスできるところにミドルウェアSDKを公開したかった、という意図があります。

そうすることで、新しいゲーム開発者世代にもCRIの存在を知ってもらうことができます。
さらには、現在大学や専門学校に通っている学生さんにも触れてもらうことができ、未来のユーザーを育てることにつながります。

■多くの人に触ってもらうことによるフィードバック

「ADX2 LE」は無償だからこそ、多くの人の手に渡り、率直な意見をもらっています。
SNSでも、強めの意見を見ることがあります。オブラートに包まない直球意見は、B to Bでミドルウェアを出している頃はなかなか得られないことです。
無償だからこそ、ビジネスではなく、純粋に使いやすいか、わかりやすいか、役に立つのかでガチに評価してもらうことができます。

11月、「ADX2 LE」はCocos2d-xにも対応します。
このタイミングで、より多くの人に「ADX2 LE」を知ってもらうための仕掛けも仕込み中です。
これからもどんどん辛口の意見を頂ければ、と思っています。

■自分で使いたかった

最後はかなり単純な理由で、自分で取り扱っているミドルウェアを自分で作っているアプリ・ゲームで使いたかった、それだけです。

ちょっと前まで同人ゲームサークルで手伝いをしていたり、今年は個人でスマホゲームを出したりと
個人的に開発チャレンジをしています。

そんな中で、「自分が担当しているミドルウェアが自分で作っているモノに使えないのは悲しい!」
と思ったこともきっかけの一つでした。

まとめ

安直かもしれませんが、私は最近のゲーム産業における変革を「ゲーム開発文化のオープン化」ととらえています。
Unity社が掲げる「ゲーム開発の民主化」に近いですね。

開発環境、プラットフォーム、ノウハウ、宣伝広告とローカライズ、そしてミドルウェア。どんどんオープンに、多くの人が触れられる形に変わっていきます。

オープン化の波に乗っていくのには、多くのデメリットもありますが、それを乗り越えつつ
ゲーム産業の変化にはしっかり寄与していくことが使命だと考えています。

(なんか妙にまじめなエントリになってしまいました。。)

それではまた☆

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(ミドルウェア採用タイトル「Destiny」の美しさに見とれるりんごちゃん。)